「ハワイ郡に短期賃貸規制権限、 不動産市場が再編へ」
2024年5月3日、ジョシュ・グリーン州知事は「Act 017(SB 2919)」に署名し、ハワイ全域の短期賃貸(STR:Short-Term Rentals)に関する規制の枠組みを大きく変える法律が成立しました。この画期的な立法により、ハワイの各郡はこれまでにない強い権限を持つことになり、住宅地および農業地域における既存の短期賃貸の段階的廃止(アモチゼーション)を含む、STRの規制を独自に実施できるようになりました。これは従来の州レベルの制限から大きく転換するもので、住宅供給や地域コミュニティの環境に関する懸念に対し、各郡がより主体的に対応できるようになります。この郡権限の拡大は、ハワイの不動産市場に深い影響を及ぼします。住宅地や農業地域で短期賃貸として収益を上げていた物件は、新たな規制により制限を受ける可能性が高く、一部の所有者にとっては投資価値の低下につながる可能性があります。既存の短期賃貸が段階的に廃止されることで、長期賃貸用の住宅在庫や売却物件が増加し、特に需要の高いウェストマウイやワイキキなどの地域では、物件価値や需給バランスに影響を与えることが予想されます。不動産投資家にとって、Act 017は投資戦略の見直しを迫るものとなります。住宅地での短期賃貸依存型の投資から、長期賃貸向け物件や商業ゾーンに適した物件へのシフトが必要になる可能性があります。また、郡は短期賃貸をホテルと同様に課税・規制できるようになり、ホテル業界との公平性を高めるとともに、観光による住宅供給への影響を緩和することを目指しています。こうした規制の整合性は、投資家心理や市場動向を再形成し、従来型の不動産開発を促進するとともに、観光用途に流れていた住宅ストックを地域コミュニティへ戻すことで、住宅市場の安定化にも寄与すると期待されています。

